「旧敵国条項」削除を明記…国連アナン報告書:読売新聞
やっと・・・って感じですね。
長年の懸念の一つがやっと一歩前進。てか前進遅すぎ。
旧敵国条項とは:
第二次世界大戦の際、
枢軸国だった日本・ドイツ・ルーマニア・ブルガリア・ハンガリー・フィンランドを対象(イタリアは途中で枢軸国から脱退し、連合国側に立って日独に宣戦したので除外)に、
これら諸国が国連憲章等に違反した軍事行動(侵略等)を起こした際、旧連合国(アメリカ等)が国連決議等の拘束力に優先して軍事制裁を課す事が出来るとした差別条項。
United Nationsは日本では国際連合と訳されてますが、本来の意味は「連合国」です。
WWⅡの時の連合国側が設立した、「連合国のための組織」が前身なのです。
「国際連合」の響きとは違い、けっして仲良し組織ではありません。
設立の基本理念として、連合国(戦勝国)の利益を守ること・連合国がWWⅡ後の世界の実権を握っていくことがあったのでこんな条項が存在するのです。
日本は1970年の第25回国連総会以来、国連憲章から「旧敵国条項」を削除してほしいと主張し続け、1995年の第50回総会でやっと、「憲章特別委員会の削除へ向けての憲章改正手続きを最も至近の適当な会期に開始する意図を表明する決議」が採択されました。
しかし、10年たっても未だ削除されてません。常任理事国が渋っているからです。(とくに中国)
今では日本の国連分担金の負担率はアメリカについで2位の20%弱。
(ただし!アメリカはもう長いこと
滞納しているため実質日本が1位。)
これはアメリカ以外の常任理事国である露英仏中4カ国の総額より多い。
つまり、都合よくお金だけ払わされてる「金づる」状態なわけです。
いまだに「敵国」として差別されているのにその現状すら知らない多くの日本人は国連=イイ組織だと信じているというわけ。
国連神話を拭い去ったところで次。
事務総長が日本の常任理入り後押し発言、あわてて訂正:読売新聞
日本の常任理事国入りはもうだいぶ前から議論されており、お約束の近隣3カ国(中韓朝)以外はほぼ賛成しています。
英BBC世論調査:読売新聞によると。
日本の常任理事国入りに対しては、16か国で支持が過半数を超えるなど21か国で支持が反対を上回った。その一方で、中国では反対(51%)が支持(10%)を大きく上回り、韓国でも反対(32%)が支持(26%)より多かった。
らしいです。
まあ例の国々以外には反対する理由ないわな。
新理事国についてはアフリカから2カ国、アジアから2カ国、中南米から1カ国ということですが、アジアの2枠は日本とインドが有力だろうと見られています。
でもこの新常任理事国には拒否権付与は困難とのこと。
拒否権ないのに意味があるのかと思ったり思わなかったり。
加えて自衛隊の海外派遣問題をなんとかしないことには、という国内事情もある。
さらに、ただでさえ金づる扱いの日本ですが、今よりももっと経済的負担を強いられる可能性も否定できない。
他にも、理事国入りしたところで、アメリカの言いなりになるだけじゃないのか、とか。
そもそも理事国入りに対していつもの3カ国が猛烈に反対してくることは必至。
そして何よりも、現在の国連そのものに果たしてどれほどの存在意義があるのか、ということ。
いろいろ問題が山積みですね。
個人的には、現状のようにお金だけめいっぱい取られて何の発言権もなく、それどころか敵国扱いではあまりにも報われないので、安保理改革がこのままよい方向に進んで欲しい。
今の段階ではアナンさんが勝手に言ってるだけでぜんぜん具体化していないので。
今後の動向に注目していきたいです。